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東京都の待機児童数が2年ぶり増加!各候補の解消策は?

キャリアフィールド(株)が運営する保育専門求人「求人情報ナビ+V」より転載。

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東京都の待機児童数が2年ぶり増加!各候補の解消策は?

ここがみ : 先日、東京都内の待機児童数が2年ぶりに増えて、4月1日時点で8,466人になったと発表がありました。(※1)

いくほ : これだけ保育士不足が叫ばれているのに、保育施設は増えていないのでしょうか?

ここがみ : 実は、都独自の財政支援などで、保育所など認定こども園を含む施設整備は計画を上回るペースで進んでいるんです。実際に、保育サービスを利用する児童数も増えています。ただ、入所を希望する人の増加に対して、受け皿になる保育サービスの増加が追いついていないという状況なんですね。

いくほ : 今までと同じことをしていても間に合わないということか…。新しく都知事になる人はどんな対策を打ってくれるかなぁ。

 

ここがみ : ここで、各候補が公約に掲げる待機児童解消策をちょっと見てみましょうか。東京都選挙管理委員会のサイトでも立候補者一覧ページ(※2)が更新されていますので、見てみるといいかもしれません。

いくほ : たとえば、「“待機児童解消・緊急プログラム”を策定する」という候補がいますね。

ここがみ : 現状把握や具体的な目標を定めたうえでプログラムをつくるのであれば意義があるといえるかもしれません。具体的にはどんなアイディアがあるのか、気になるところですね。

いくほ : 別の候補は、「保育所の受け入れ年齢、広さ制限などの規制を見直す」あとは、「都内遊休空間を利用して、保育施設、介護施設不足を解消」「同時に、待遇改善等により保育人材、介護人材を確保する」と主張しています。

ここがみ : 保育人材が不足しているから1施設が預かれる児童数を増やしたり、保育施設を建てられるスペースの確保のために規制を緩和したり、余っている空間を有効利用しようということですね。待遇改善はどのように行おうと考えているのかも注目したいですね。

いくほ : 「幼稚園の空いている部屋、空いている場所に保育園を作る“練馬方式”を導入する」と主張している候補もいますね。これはこども園を作るのとは違うのかなぁ。

ここがみ : そうですねぇ。幼稚園が保育所機能を併設することを促そうとしていて、すでに子ども・子育て支援新制度で幼保連携型認定こども園、幼稚園型認定こども園など定めていますね。基準などをより保育所を併設しやすいものにしていったり、義務づけも考えているのかも…?要チェックですね。

いくほ : あとは、「都営地下鉄構内・付近に託児所を設ける。高層ビルをつくり、下の階には、商業の店舗やオフィス、上の階には、保育園、幼稚園などを併設する」とか。

ここがみ : 保護者が預けやすいところに保育施設を設ける案ですね。施設運営のための保育人材をどう確保しようとしているかも気になりますね。

 

いくほ : そういえば、今年度の予算ってもう決まっているんですよね?

ここがみ : そうです。税金を計画的に使っていくために、基本的にはすでに組んである東京都の平成28年度予算の中で動いています。

いくほ : では、新しく知事が選ばれても、今すぐ何か変えることってできないのではないでしょうか?

ここがみ : たとえば、「補正予算」というのを組むことができます。突発的な自然災害が発生したときなど、当初の予算通り執行することが難しくなったときに、予算を変更して組むことができます。もちろん議会の承認は必要です。待機児童解消のために、今年度中に補正予算を組むことを明言している候補もいますね。

いくほ : へぇ~そうなんだ。

ここがみ : 東京都の予算規模は約13兆円。インドネシアの国家予算にも匹敵するんです。だからこそ、ほかの都道府県ではなかなか踏み切れない策に打って出ることができるかもしれません。ほかの都道府県でも活用できる待機児童解消のモデルケースが出てくるといいですね。あと1週間、都知事選、追っていきましょう!

 

※参考※
※1)都内の保育サービスの状況について|東京都福祉保健局
※2)東京都知事選挙 立候補者一覧