保育士資格を取得する方法は、2種類あります
保育士資格を取得するルートは2つあります。
① 厚生労働大臣の指定する、保育士養成課程のある大学や短大・専門学校(指定保育士養成施設)で、必要単位を取得し卒業する。
② 保育士試験に合格する。
次の各号のいずれかに該当する者は、保育士となる資格を有する。
「児童福祉法」第18条の6
一 都道府県知事の指定する保育士を養成する学校その他の施設(以下「指定保育士養成施設」という。)を卒業した者
二 保育士試験に合格した者
<方法①>厚生労働大臣の指定する、保育士養成施設を卒業する
厚生労働省の指定する、大学(4年)・短期大学(2年)・専門学校(2~3年)で保育士養成課程を修了し卒業すると、保育士資格を取得できます。
卒業後に保育園などへ就職した場合、大学卒でも専門学校卒でも給与にそれほど差があるわけではありません。
その1:大学を卒業する
メリット
- 卒業と同時に保育士資格を取得できる。
- 学校によっては、幼稚園教諭・小学校教諭・社会福祉士の資格などを同時に取得できる課程もある。
- 4年間じっくりと保育について学ぶことができる。
- 保育以外の知識を習得するチャンスがある。
- 若干初任給が高くなる場合がある。
デメリット
- 長期間(4年間)通う必要がある。
- 費用が高い。
- 平日昼間の通学を必要とする学校が多いので、社会人や主婦にとって時間的に厳しい。
- 初任給が高いことで採用に不利になる場合がある。
その2:短期大学を卒業する
メリット
- 卒業と同時に保育士資格が取得できる。
- 学校によっては、幼稚園教諭などの免許・資格を同時に取得できる課程もある。
- 4年制大学に比べて短期間(2年間)で資格を取得できる。
- 4年制大学より学費が安い。
デメリット
- 4年制大学よりはスケジュールがきつい。
- 平日昼間の通学を必要とする学校が多いので、社会人や主婦にとって時間的に厳しい。
その3:専門学校を卒業する
メリット
- 卒業と同時に保育士資格が取得できる。
- 学校によっては、幼稚園教諭などの免許・資格を同時に取得できる課程もある。
- 4年制大学に比べて短期間(2~3年間)で資格を取得できる。
- 4年制大学より学費が安い。
デメリット
- 4年制大学よりはスケジュールがきつい。
- 平日昼間の通学を必要とする学校が多いので、社会人や主婦にとって時間的に厳しい。
<方法②>保育士試験に合格する
年に1回行われる保育士試験に合格することで、保育士資格を取得できます。ただし、保育士試験の受験資格を満たしている必要があるので注意が必要です。
保育士試験は2段階構成で、8月に筆記試験、10月に実技試験が行われます。筆記試験通過者のみが実技試験に進むことができ、実技試験も通過できれば保育士試験合格です。幼稚園教諭免許を持っている方は、筆記試験2科目と実技試験が免除されます。
全国平均合格率は決して高くありません。毎年10%台です。ただ、試験に合格すれば資格取得できるので、うまくいけば半年以内で資格取得することができます。
保育士試験で保育士資格を取るメリット・デメリット
メリット
- 試験さえ合格できれば、半年以内で資格取得も可能。
- 仕事や子育てをしながら資格取得を目指すことができる。
- 大学や短大・専門学校に通うより費用は安くすむ。
デメリット
- 保育士試験の受験資格を満たしている必要がある。
- 試験に合格できなければ資格取得まで数年かかる。
- 実習の機会がない。
試験勉強の方法
保育士試験に合格するために、勉強方法は以下の3つがあります。
その1:通学制の試験対策スクールに通う
メリット
- 勉強時間をしっかり確保できる。
- 講師等に直接質問できるので、疑問をすぐに解消できる。
- 最新情報をいち早く得られる。
- 講師の中には保育園等で働いた経験のある人も多いので、保育現場のリアルな話を聞ける。
- 一緒に勉強する仲間ができる。
デメリット
- 自分のペースで勉強を進められない。
- 開講スケジュールに自分の予定を合わせなければならない。
- 通信講座に比べると費用が高い。
その2:通信講座を活用する
メリット
- 自分の都合に合わせてマイペースで勉強できる。
- 通学制より受講料が割安。
デメリット
- 学習のスケジュールを自分で作らなければならないので、管理が難しい。
- 一人で勉強するので、モチベーション管理が難しい。
- 疑問や質問の回答をすぐに得られない。
- 実技の授業が受けにくい。
その3:独学で勉強する
メリット
- テキスト代数千円程度で資格取得を目指せる。
- 自分のペースで勉強できる。通学の必要がないので、社会人や主婦など忙しい人でもOK。
デメリット
- 学習スケジュールを自分で作らなければならないので、スケジュール管理が難しい。
- 1人で取り組むため、モチベーションの維持が難しい。
- 質問できる相手がいない。
- 実技試験の対策が難しい。
取得までにかかる時間・費用などを比較して、自分に合った方法を選びましょう
自分に合った資格取得ルートを決めるために、まずは、「何のために保育士資格を取りたいのか?」という目的を明確にしましょう。
そのうえで、目的を達成するために今の自分に何が必要なのか、自分に合った資格取得ルートはどれか、総合的に判断してください。
保育士資格を取るという目標達成まで、自分が勉強を続けられる環境かどうか、以下のポイントも参考にしてみてください。
- 資格取得までにかかる時間は?
- 自分の目的に合った授業内容かどうか?
- 通える日程かどうか?
- 教室の雰囲気は自分に合っているかどうか?
- 費用を支払えるかどうか?
- 就職につながるかどうか?