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新しい都知事が誕生!どんな人?

キャリアフィールド(株)が運営する保育専門求人「求人情報ナビ+V」より転載。

保育士も知っておきたい政治のお話を連載しています。

毎週更新。

 

 

 

ここがみ:7月31日、東京都知事選が終わり、新しい東京都知事が誕生しました。

いくほ:小池百合子さんですよね。初の女性都知事だとか。

ここがみ:結果的にそうなりましたね。投票率は、前回より13.59ポイント高い59.73%でした(前回は46.14%)でした。都民の関心も高かった選挙といえるでしょう。

いくほ:新都知事はどんな方なんでしょうか。

ここがみ:改めてプロフィールを見てみましょうか。兵庫県生まれで、エジプトのカイロ大学を卒業。経済情報番組などのキャスターを経て、その後政界に転身。これまでに参議院議員1期、衆議院議員を8期。環境大臣や女性初の防衛大臣、内閣総理大臣補佐官などを務めた経験があります。総務庁政務次官として携帯電話の普及に務めたり、今や当たり前になっている「クールビス」を仕掛けた人物でもありますね。

いくほ:クールビズ、新語・流行語大賞になったのを覚えています。自民党の人なんですよね。

ここがみ:現在の所属はそうですね。ただ、今回の都知事選は、党の推薦なしで無所属で出馬しました。

 

☆新知事の保育政策は?

いくほ:保育に関しては、どんなことを公約に掲げていましたっけ?

ここがみ:見てみましょうか。新都知事は、「東京大改革」をキャッチフレーズに、3つの「新しい東京」をつくるという構想を掲げています。安心・安全な街「セーフシティ」、すべての都民が活躍できる「ダイバーシティ」、将来の成長戦略にもつながる「スマートシティ」。

いくほ:ダイバーシティ…?

ここがみ:ダイバーシティ(Diversity)、多様な人材を積極的に活用しようという考え方のことです。女性も、男性も、子どもも、シニアも、障がい者もいきいき生活できる、活躍できる都市を目指すという意味ですね。女性が生き生き生活、活躍できるよう、「待機児童ゼロ」を目標に政策を掲げていますよ。

いくほ:え~っと、「保育所の受け入れ年齢、広さ制限などの規制を見直す。」っておっしゃっていますね。

ここがみ:これは、規制を緩和することによって、1か所の保育所で預ける児童数を増やせたり、保育所を設置しやすくなり、保育の受け皿を増やせるというメリットが考えられます。しかし、保育職員が増えない限り、職員1人あたりの児童数が多くなるので、安全面で反対意見もあります。どうバランスを取っていくのかが注目ポイントですね。

 

いくほ:ほかは、「保育ママ・保育オバ・子供食堂などを活用して地域の育児支援体制を促進する。」保育ママはすでにある制度ですよね。子供食堂もちょっと耳にしたことがあるなぁ。保育オバってなんでしょう?

ここがみ:保育オバはわからないですが…、子ども食堂は、地域の大人が子どもに無料や安価で食事を提供する民間から始まった取り組みです。貧困家庭や家に帰っても一人でご飯を食べるような子どもたちに食事を提供し、安心して過ごせる場所として始まったもので、実は今、全国的に増えています。最近は、地域のすべての子どもや親、地域の大人など、対象を限定しない食堂も増えていますね。

いくほ:へぇ。

ここがみ:それらのような制度を利用できることをもっと多くの人に知ってもらうためにPRを進めるとか、子供食堂を都立で設置する、民間で設置する際に補助金を出す、などが今後の動きとして考えられるでしょうか。

 

いくほ:あとは、「あらゆる都内遊休空間を利用し、保育施設、介護施設不足を解消。同時に、待遇改善等により保育人材、介護人材を確保する。」って公約にありますね。

ここがみ:都内では保育所にできる土地を探すのも難しいというお話を以前しましたが、保育施設や介護施設にできる場所・空間をピックアップして利用していこうということですね。また、施設だけあっても職員が不足していたら何もできないので、保育・介護業界の担い手を増やす制度を整えていこうということですね。

 

いくほ:結局、私たち保育士にとってどんな変化が?

ここがみ:そうですねぇ、まだこれからですから、具体的には何とも。選挙期間では、各候補者が政策を発表する機会はありましたが、政策を討論する機会は多くなかったように思えます。そのうち、より具体的に内容やメリット・デメリットが明らかになるはずですから、チェックしていきましょう!