2024年前期 模試・直前講座 受付中

企業主導型保育事業がスタート!その特徴は?

キャリアフィールド(株)が運営する保育専門求人「求人情報ナビ+V」より転載。

保育士も知っておきたい政治のお話を連載しています。

毎週更新。

 

 

 

ここがみ : 「企業主導型保育事業」って聞いたことありますか、いくほさん?

いくほ : 初めて聞きました!何ですか、それ?

ここがみ : 子どもを預けたい自社の従業員のために、複数の会社で保育園を設置して、さらに空き枠は従業員以外の家庭も使えるという仕組みです。「子ども・子育て支援法」が改正されて、平成28年4月からスタートした制度なんです。

いくほ : へー

 

ここがみ : もともと平成25年4月に発表された「待機児童解消加速化プラン」では、平成29年度末までに約40万人分の保育の受け皿を整備することを目標としていたのですが、想定以上に待機児童数が多かったので、目標を前倒し&上積みして、約50万人分整備することにしました。

いくほ : だいぶ大きく増やすんですね。

ここがみ : そうなんです。+10万人分になったわけですが、うち、5.6万人分を市町村主体の認可保育所などの上積みで対応して、さらに5万人分を企業主導型保育事業でまかなおうとしています。

 

いくほ : どんな特徴がある事業なんですか?

ここがみ : 特徴としては、

  • 働き方に応じた多様で柔軟な保育サービスが提供できる。(延長・夜間、土日の保育、短時間・週2日のみの利用も可能)
  • 複数の企業が共同で設置することができる。
  • 他企業との共同利用や地域住民の子どもの受け入れができる。
  • 運営費・整備費について認可施設並みの助成が受けられる。
  • 設置に市区町村の関与がない。
  • 利用も直接契約
  • 柔軟な人員配置

といった特徴があるとされています。

いくほ : わかったような、わからないような…

 

ここがみ : また、企業主導型保育事業では、既存の事業所内保育施設の空き定員を有効利用する事業に対しても補助を行うことになっています。

いくほ : 認可並みの助成を受けられるってことは税金を使っていくということですよね。財源はどうしているんでしょう?

ここがみ : いい質問ですねぇ。今回の法改正によって、事業主拠出金という会社が負担する税金の率が引き上げられ、その増加分が財源に充てられます。子育て家庭だけが金銭的負担をするのではなく、社会全体で、子育て支援にかかる費用を負担するという考えなんですね。

 

いくほ : 今後、企業主導型保育は普及していきそうでしょうか?

ここがみ : 今は行政が企業向けに説明会を実施したり、参加企業を公募したりしています。複数の企業が共同で設置するわけですから、一緒に設置できる企業が必要なんですよね。果たして、従業員のための保育施設を作ろうという企業がどのくらい出てくるのか。そこがキーではないでしょうか。

いくほ : 「事業所内保育」というのもありましたよね。何が違うんでしょう?

ここがみ : そうですね、次回は、その違いや、メリット・デメリットを考えてみましょう。

 

※参照※
内閣府「企業主導型保育事業について(チラシ)」

http://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/outline/pdf/hoiku/chirashi.pdf
内閣府|企業主導型保育事業の概要
http://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/outline/gaiyo.html